【医療従事者向け】M2P-Exosome™について
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エクソソームについて

ABOUT EXOSOME

エクソソームとは

エクソソームは細胞から分泌される顆粒状の物質で、
細胞間の情報伝達を担っています。
その内部には母体になっている細胞と同じ
核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA)が含まれていて、
それが受け取り側の細胞の性質に影響を与えていることが確認されています1)。

エクソソームは細胞間のメッセンジャー

エクソソームは、細胞間の情報のやり取りを担う「細胞外小胞」の1つです。
細胞外小胞とは、細胞から分泌される不均一な脂質二重膜構造の小胞の総称を指します。各細胞が持つ核酸やタンパク質といった情報を他の細胞に伝播する役割を担っていて、さまざまな生命現象(老廃物の排出、組織修復など)や、疾患の進行に関与します2-3)。この細胞外小胞は、母体となる細胞内での産生機構の違いから、エクソソームの他に、マイクロベシクル、アポトーシスが存在します。これらには一部に似通った働きもありますが、大きさや表面に存在するマーカーなどによって分類されます。

エクソソームは、これら細胞外小胞の中で最も小さい物質で、体液(血液や髄液)を介して全身に運ばれます。

エクソソーム マイクロペンシル アポトーシス
由 来 生きた細胞
(エンドサイトーシス・パスウェイ)
生きた細胞
(細胞質膜)
死細胞
(細胞質膜)
役 割 細胞間
コミュニケーション
生きた細胞
(細胞質膜)
ファゴサイトーシス
(細胞貪食)の誘導
大きさ 0.04〜0.2μm 0.1〜1μm 1〜4μm
マーカー Alix抗体
Tsg101抗体
テトラスパニン抗体
(CD81, CD63, CD9)
インテグリン抗体
セレクチン抗体
CD40抗体
Annexin V,
phosphatidylserine
1μm(マイクロメートル)=100万分の1メートル

エクソソームの構造

エクソソームの構造は、脂質二重膜というカプセル構造になっています。これによって、中に入っている遺伝子情報(マイクロRNAなど)を保護しています。膜の表面には、エクソソーム固有の表面タンパクが存在し、これがターゲットの細胞に付着して、中の情報を送り込みます。

幹細胞エクソソームに期待できる効果

エクソソームは様々な細胞から分泌されますが、
中でも間葉系幹細胞(Mensenchymal stem cell:MSC)が分泌するエクソソームに関しては、
各種疾患への治療効果が報告されています4)。
MSC由来のエクソソーム(幹細胞エクソソーム)は、
MSCそのものと同様か、それ以上の治療効果を示すことが明らかになっているのです5)。
この幹細胞エクソソームにどのような効果が期待できるかを、過去の研究結果に基づいて具体的にご紹介します。

1.血管新生促進

幹細胞エクソソームの投与後、毛細血管の数は脂肪由来幹細胞と同程度に増加しました。このことは顕微鏡画像でも確認されています。また、血管新生を促す各種因子も有意な増加 が認められました6)。
このことから、幹細胞エクソソームは投与後3週間で移植組織の血管新生 を改善したことが示唆されます。

方法:脂肪組織に、エクソソーム(Exo)、脂肪由来幹細胞(CAL)、または生理食塩水(PBS)を混合し、マウスの両側の腰部に皮下移植した(n = 16匹)。移植された脂肪組織は3週間後と10週間後に採取され分析された。*:p < 0.05 * *:p < 0.01

2.組織定着率の向上

脂肪に幹細胞エクソソーム、または幹細胞を添加して脂肪の定着状況を比較したところ、エクソソーム群が勝るという結果が得られました。また、脂肪定着・再生に不可欠な血管新生因子の発現量も、エクソソーム群が幹細胞群を有意に上回りました6)。

方法:マウスの脂肪組織に生理食塩水、脂肪由来幹細胞、エクソソームを添加し、その後の変化を観察した。
*:p < 0.05 * *:p < 0.01
Chen B, et al.: Plast Reconstr Surg. 144(5): 816e-827e, 2019

3.組織の損傷回復を促進

幹細胞エクソソームには、組織の損傷回復を後押しする作用が期待できます。損傷した細胞にエクソソームを加えると、そうでない時に比べて損傷の回復が早まることが確認されました。

市場のエクソソームはどれも同じではない

現在、市場には数種類のエクソソームが存在しますが、その優劣を見定めるのは非常に困難です。
何をもってエクソソームとみなすか、その定義はまちまちです。
エクソソーム以外の成分が含まれる培養上清液(幹細胞の培養時に生じた上積み液)が
エクソソームとして扱われているケースも少なくありません。
当施設の「M2P-Exosome」は、類似品の中でも特に厳格な基準を満たしています。

他社エクソソーム M2P-Exosome
ドナーに関して
※1
不 明
  • 年齢、性別は把握
  • 主たる感性症bに未感染
粒子サイズ 40〜200nm 40〜200nm
粒子濃度(個/mL) 1×10^10以上 5×10^9以上
CD9とCD63の発現
a※2
検出不可能 検出可能

※1.健康被害を防ぐ観点から、M2P-Exosome™︎は、健全性が確認できた幹細胞だけを原材料として使用しています。

※2.M2P-Exosome™に含まれる粒子からは、エクソソームの同定に欠かせない表面タンパク質が検出できてます。これは確かにエクソソームが含まれていることの証です。

a) エクソソームの表面に存在する蛋白質
b) HIV, HBV, HCV, HTLV, RPR

COLUMN

幹細胞美容液の “エクソソーム配合” にはご用心

幹細胞の培養時に得られる上積み液(=培養上清液)は、いわゆる「幹細胞美容液」などとして広く使われています。そこには幹細胞が分泌する若返りの有効成分が含まれており、その中心的な役割を担うのがエクソソームです。
ただし、幹細胞培養上清液として紹介されているものの中には、エクソソームが同定できなかったり、培地由来の成分(蛋白など)や老廃物など、人体に有害な成分が含まれているものもあるので、製法、品質管理のあり方、加工元などをしっかり見極めることが重要です。
品質を見分ける一つの方法として、含まれる粒子の総数でなく、幹細胞エクソソームだけの粒子の数や純度を確認することをお勧めします。幹細胞エクソソーム以外の粒子は、有害な可能性もあります。

※培養上清液は「混合物」です。
エクソソーム以外の好ましくない成分が含まれることがあります。

  • Valadi H, Ekström K, Bossios A, Sjöstrand M, Lee JJ, Lötvall JO. Exosome-mediated transfer of mRNAs and microRNAs is a novel mechanism of genetic exchange between cells. Nat Cell Biol. 2007, 9, 654-659.
  • Mathieu M, Martin-Jaular L, Lavieu G, Thery C. Specificities of secretion and uptake of exosomes and other extracellular vesicles for cell-to-cell communication. Nat. Cell Biol. 2019, 21, 9-17.
  • Becker A, Thakur BK, Weiss JM, Kim HS, Peinado H, Lyden D. Extracellular vesicles in cancer: Cell-to-cell mediators of metastasis. Cancer Cell. 2016, 30, 836-848.
  • Chamberlain G, Fox J, Ashton B, Middleton J. Concise review: mesenchymal stem cells: their phenotype, differentiation capacity, immunological features, and potential for homing. Stem Cells. 2007, 25, 2739-2749.
  • Katsuda T, Kosaka N, Takeshita F, Ochiya T. The therapeutic potential of mesenchymal stem cell-derived extracellular vesicles. Proteomics. 2013, 13, 1637-1653.
  • Bin Chen , Junrong Cai, Yating Wei, Zhaohua Jiang, Haley E Desjardins, Alexandra E Adams, Shengli Li, Huang-Kai Kao, Lifei Guo. Plast Reconstr Surg. 2019, 144, 816e-827e.